タクシービギナーズ 運賃・料金編2018年12月掲載
Q1 運賃ってどうやって計算しているの?
タクシーの運賃は距離と時間で計算されています。
乗る距離が長く、時間もかかれば運賃は高くなります。「東京23区、武蔵野市及び三鷹市」のタクシー運賃で説明します。
『東京23区、武蔵野市及び三鷹市』が営業地区のタクシー料金』
初乗り運賃(※1)最初の1,052mまでは410円、その後237mごとに80円加算(※2)
時速が10km以下となると、1分30秒ごとに80円加算
タクシーは道が空いていてスムーズに走っている時は距離だけで運賃が計算されます。しかし、走っていなくても運賃が上がる事があります。
それは、タクシーの時速が10km以下となると、時間を距離に置き換えて運賃が加算される仕組み(※3)だからです。
そのため渋滞や信号で止まった時など、タクシーが進まなくてもメーターが上がる事もあります。この複雑さが利用者にとって分かりにくく、「いつもと同じ道を走ったのに運賃が違った」という話がでる要因だったりします。
※1.初乗り運賃:利用したら必ずかかる最低料金(タクシーの窓などに貼られている金額のこと)
※2.加算:初乗り運賃以降に上乗せされていく運賃
※3.距離と時間で運賃を計算する事を「時間距離併用性(じかんきょりへいようせい)」と言う。
Q2 深夜に利用すると運賃が早く上がる気がします…
気のせいではありません。
深夜・早朝は、昼間より運賃が早く上がります。
これは深夜・早朝には割増料金が適用されているためです。
深夜・早朝は2割増となります。
この「深夜・早朝料金(※4)」は料金が2割増すのではなく、距離が2割分短くなり計算されます。
これを「東京23区、武蔵野市及び三鷹市」が営業地区のタクシー料金で計算すると…
《例》 昼間は、最初の1,052mまでは410円、その後237mごとに80円加算。
1052m(初乗り距離)÷1.2=876.6666666…
237m(加算距離)÷1.2=197.5m
深夜・早朝は「最初の877mまでは410円、その後198mごとに80円加算」といった運賃体系になります。そのため昼間よりも早く運賃が上がります。利用者にはかなり分かりにくい仕組みです。
深夜料金は車内の時計と連動しているため、深夜料金適用時間になると自動的に切り替わるようになっています。
なお多くの地域では22:00~5:00が「深夜・早朝割増」適用時間となりますが、一部地域は23:00~5:00となっています。※「深夜・早朝割増」を適用していない会社もあります。
Q3 運賃は全国みんな同じですか?
同じではありません。
タクシー運賃は運輸局が地域の営業状態やさまざまな状況を審査し、適正な運賃を認可しています。そのため地域や事業者によって運賃は異なります。
また車両の大きさによっても運賃は変わり、中型タクシーよりジャンボタクシーの方が高くなります。最近では、小型タクシーと中型タクシーの区別を無くし「普通車」に統一する地域が増えています。
全国のタクシー運賃は「料金を調べる」から見ることができます。
Q4 運賃は乗っている人数で変わりますか?
いいえ、変わりません。
人数に関係なく、メーターに表示された金額を払えばOKです。
数人で乗って割り勘にすると意外とお得になります。
タクシーは車両の大きさによって乗車人数が変わります。
・小型タクシー:利用者が最大4名
・中型タクシー:ベンチシートの場合利用者が5名、セパレートタイプだと利用者が4名(最近ではほとんどがセパレートタイプです)
・ジャンボタクシー:利用者が最大9名
12歳未満のお子様は3名で大人2名分と計算されます。
Q5 自宅にタクシーを呼んだけど、すでに運賃がかかっていた…なぜ?
お迎えにあがる際にお迎え料が発生する会社があります。そのため、自宅に呼んだ時点ですでに料金がかかっている…という事があります。
「お迎え料」には2種類あります。
(1) お迎え地点までの距離に関係なく「1回呼ぶ事に1台○○円」と一定額を頂戴する。
金額は100円~400円程度となっています。
(2) お迎えの依頼をした時点で料金メーターが作動し、お迎え地点までの料金を頂戴する。
ただし、お迎えの地点までの距離が一定の距離(多くは1.0km~2.0km)を超えたら、初乗り運賃以上の金額は請求しない。
この方式だとお迎えの依頼をした時点で、すでにメーターが作動しているため、乗ってすぐ運賃が上がったという誤解が起き、利用者の評判は良くないです。
最近ではお迎え料を取らない地域、会社も増えています。お迎え料金は地域や事業者よって異なりますので気になる方は事業者へお問合わせください。